お仕事の裏側や業界話などご紹介!
コラム お仕事の裏側や業界話などご紹介!
動物飼育員として働くうえで、大変なこと・つらいこととは
「動物飼育員として働く」と聞くと、多くの人が「かわいらしい動物に囲まれて過ごす仕事」「心安らぐ仕事」と思うでしょう。しかし、動物飼育員にはつらいこともたくさんあるのです。
「動物飼育員として働きたい」という人は、だれもが動物を愛しています。そして彼らが健やかに過ごせることを望み、親密なコミュニケーションをとれることを願っています。
動物が嫌いで動物飼育員になる人はなかなかいないでしょう。
しかしそのように夢を持っている人に、仕事の裏にある「現実」を知ってほしいとも思います。
ここでは、あえて動物飼育員の大変なことやつらいことについてお話します。
■「命」にあなたは向き合えるか?
動物飼育員として働く人や獣医師として働く人が、否応なく目にしなければならなくなるものがあります。
それが、「愛情を注いで育ててきた動物の死」です。
動物は生き物です。そのため命には限りがあります。そして動物は人間よりも寿命が短いことが多く、動物飼育員であるあなたはその死に立ち会うことになります。
「死」まではいかなくても、体調を崩したり、異常が出たりすることもあるでしょう。そんなときにあなたは、動物にきちんと向き合うことができるでしょうか。
周りからも認められるほどに一生懸命に動物の世話をし、動物にも愛されていても動物は病気になることがあります。また、もっと悲しいことに寿命を迎えることもあります。そんなとき動物飼育員のなかには、きちんと世話をしていたにも関わらず「自分のせいだ」「自分がうまくやれていなかったからだ」という自責心にさいなまれる人もいます。
人間と動物は、言葉を交わすことができません。動物がどれほど苦しんでいても、そしてどれほど感謝していても人間はそれを「言葉」として受け止めることはできません。そのため、このような「自責の念」をずっと抱き続ける人が出てくるのです。
自分の飼っているペットが亡くなったときに、「もう2度とペットは飼わない」と決める人もいます。動物飼育員を志す人の多くはペットを飼った経験があると思われますが、そんな身を切られるような辛さを仕事場でも味わわなくてはいけないのです。
■ビジネス、そして日々のお世話に関して
動物飼育員は、物語やドラマのなかで見るようなきれいな仕事ではありません。
動物は毎日大量の糞をしますし、掃除も大変です。悪臭が体に染みついているように感じる人もいるでしょう。しかも、出勤日になればまた同じ作業を繰り返すこととなります。
また、動物飼育員はビジネスの歯車のうちの一つでもあります。
動物飼育員が活躍する動物園や水族館では、お客様を集めなければなりません。
そのため「動物の世話だけをしていればいい」というわけではなく、「お客様は何をしたら楽しんでくれるか」「どういうことをしたら喜んでくれるか」ということを常に考えなければなりません。
このような性質上、動物飼育員にはある程度自分の飼育している動物を冷静な目で見ることが求められる可能性があります。
■まとめ
動物飼育員の仕事のなかで大変なのは、
・動物の最期を受け入れなければならない
・糞などの臭いに悩まされることがある
・集客のことも考える必要がある
という3点です。
もちろんそれ以外のことで悩む人もいるとは思いますが、この3点はほとんどすべての動物飼育員が向き合う問題といえるでしょう。
動物飼育員は決して華やかな仕事でも、穏やかな仕事でも、美しい仕事でもありません。
そのことから目をそらさず、しっかりと向き合っていく必要があります。